人生が変わる東洋哲学

「ハーバードの人生が変わる東洋哲学」

という本を読んで

なるほど〜と思ったことがあります。


私たちはみんな、ある種の〈礼〉を持っている。

古代中国の思想家、孔子のいう〈礼〉。儀礼です。


私たちは日常的にいろいろな場面で〈礼〉を大事にしていて、

その毎日の小さな瞬間を認識するところが出発点になっている、と。


じゃあ〈礼〉って何か、というと、

「かのように」の考え方だ、と書いてるんですね。


私がピンときたのは、私と主人の夫婦関係です。

私と主人の夫婦生活って、

どこかちょっと「おままごと」をしてるみたいに感じるときがあって、

そう言うと主人も「わかる」と言う。


変な話、私と主人は

お互い仲のいい夫婦「かのように」ふるまって生活している、だけなのかもしれません。


私は夫を愛する妻「かのように」ふるまい

主人もまた、妻を愛する夫「かのように」毎日を過ごしている。


と書くと、なんだか無理してるんじゃないか、とか、

仲良し夫婦を演じている仮面夫婦みたいに聞こえますね。


でも大事なのは、

小さいときに熱中した「おままごと」と同じように、

それが楽しくて心地がいいということ。


決して自分を偽ってそうなってるのではなくて、


ただ家に帰ってきたら、妻「かのように」ふるまう自分がいて、

その数時間前までは、薬剤師「かのように」仕事する自分がいて、

実家に帰れば、娘「かのように」くつろぐ自分がいるということ。


じゃあどれが「本当の自分」なの?

っていう話にならないところが、東洋哲学なのかなって思います。


自分に関係する人が100人いたら

100通りの自分がいていい。

100人分を演じるというよりは、

100個の引き出しを持っていて、

どれを、なにを、どう引き出すのか、の違いだけなんだろうと思う。


私たちって、決して

単一で均質な存在ではない、のだと。


現代の思想で言えば、

「自分が何者なのか」ということを必死に探求して

自分の人間性を画一的に見いだすことをテーマにしてる部分があって。


でもそんなことって、本当に必要なことなの?

っていうのが東洋的なんですよね、

その心は

「人は日々変化しているから」。


ずっと同じじゃないし、自分に対して

「私はこういう人間だ」なんてレッテルをはらなくていい。


だって、日々変化していくものだから。

たえず変化するものだから。


この本の原題はThe Path

以下抜粋。

〈道〉は自分の選択や行動や人間関係によってたえまなく形づくっていく行路だ。

わたしたちは人生の一瞬一瞬で新たに道を生み出している。


私が東洋思想にひかれるのは、

あくまで、人生の一瞬一瞬に

着目するところだと思う。


昨日の自分と今日の自分を同一のものと捉えない。

たえまなく変化するからこそ

「人生を、日々どう生きるか」

「今日をどう生きるか」

日常レベルにこそ、大きな変化や充実した人生を歩みだす起点がある。


そして〈かのように〉の世界観は、

私たちが進む道の幅を広げる。



当然「気」についても書かれていて、

著者はどうやって「気」を西洋の人に伝えるんだろうって

興味深かったんです。

こんな風に書かれていました。


本当にあると信じなくとも、そこから学べることがある。

わたしたちはただ、このようなエネルギーを〈かのように〉の考え方でとらえればいい。

気をはぐくんでいるかのようにふるまい、そのように生きるとはどういうことだろう。・・・


これにはなんだかハッとしました。

中医学に携わる人は

「気・血・水」がからだをつくり、それらがからだの中を巡るものだと

自然に捉えるけれど、


それが本当に間違いなくからだの中でそういうことが起こっている、

と考えるよりは

とても自然に「かのような」世界観を受け止めて

そこから学び行動を変えているだけの話。


それはいわば「気づき」の概念に似ていて

気づくか気づかないかで

見える世界が大きく変わるように

私たちの〈道〉が大きく変わるという。


なんども繰りかえすちょっとした瞬間こそ

価値あるものをはらんでいる。


そこに気づく視点が、

〈道〉をつくるのだなぁと思います。



この本を書いたマイケル・ピュエット教授は

ハーバード大学で東洋哲学の学部授業を受け持っており、

その講座は、経済学入門、コンピューターサイエンスに次いで

3番目の人気を誇るとか。


そして最初の授業で

「中国哲学と真摯に向き合うなら、きっときみの人生は変わる」

という大胆な約束をすることでも知られているそうです。


それは私が、

中国の古代哲学を基盤とする中医学を学んで、

ものごとの捉え方や自分との付き合い方が変わり、まさに

「人生が変わった」と感じるように、


多くの学生がいろいろな気づきを得る素敵な授業なのだろうなと

感じました。




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