”苦い味”の効能
中医学では、食材でも生薬でも、5つの味=”五味”について考えます。
5つというのは、”酸・苦・甘・辛・鹹”。
鹹はわかりにくいですが、”塩辛い味”を指しています。
この五味はそれぞれ持ち味が違います。
ざっくりと”味”の効能を知ると、
からだの状態に合わせてどういう食材を選べばいいのか、というヒントになります。
”苦い味”の効能は?
苦い味も幾つか効能を持つとされていますが、
特徴的なものに、清熱・燥湿・解毒などの効果があります。
清熱は、からだの熱を取る力、すなわちからだを冷やす効能
燥湿は、からだの余分な水分(湿)を乾かす効能
解毒は、からだの老廃物や病邪を取り除く効能
例えば苦いお野菜の代表と言えば、ゴーヤ。
ゴーヤはからだを冷やして、湿も乾かすので、
高温多湿な地域や、湿度が高くて暑い夏に大活躍です。
苦味でいうと、ビールも苦いですけど、
ビールってやっぱり暑い時の方が美味しいのですよね。
暑いときほど体の熱をとる”苦味”を欲している証拠かもしれません。
(漢方の世界ではビールは好まれませんが・・・!)
夏は苦味が効く季節と言えます。
そして四季の中でもう一つ、
実は春にも苦味が活躍してくれます。
”解毒”のパワーに優れる山菜たちです。
春に旬を迎える山菜、タラの芽やふきのとう、ふきなどは独特の苦味がありますが、こういった食材は解毒作用を持っていると言われます。
解毒のパワーで、冬の間に溜め込んだ、からだの中の不要なものを外に出してくれるのです。
こうやって考えると、
春には山菜が取れて、夏にはゴーヤが取れて・・・
旬のものをいただくことがいかに理にかなっているのかを実感できますよね。
著書を出版しました。
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