なつめやクコは食べたほうがいいですか?

「なつめやクコは食べたほうがいいですか?」

という質問をよくいただきます。


クコもなつめも、少しずつ有名になってきました。


薬膳と聞くと、そういうものを使ったお料理だと思う方も

少なくないかもしれません。


クコは眼科領域の妙薬と言われ、

なつめは「1日3個食べると老いを遅らせる」ということわざがあるくらい

中国で古くから親しまれてきました。


適度な甘みがあって、質のいいものはとても美味しいです。

良質なものが手に入るなら、少し取り入れてみてもいいかもしれません。


もちろん、どんなにからだにいいと言われるものでも、

合う人と合わない人はいます。


クコを食べてお腹がゆるくなる人がいたり、

なつめでお腹が張ってしまうことも。


できれば、少しずつ試すといいと思います。


最近は質のいいものが専門店などで買えるようになったので、

以前よりも身近になってきましたね。




一方で、薬膳には

「暮らしている土地で採れたものをいただくのがいい」という考え方もあります。


日本には日本で育まれた食文化があります。


なつめやクコが古くから中国で愛されてきたように、

日本にも昔から愛され親しまれた食材はたくさんあります。


しかもそういったものは

日本で暮らす私たちのからだに合うものがとても多い。


なつめやクコもいいけれど、

日本で昔から食べられてきた、

お味噌汁、ぬか漬け、煮物、おむすび、お酒・・・


こういったものも、

私たちのからだを元気にしてくれるとっておきの食事だと思うのです。


古くから伝わる中医学の考え方や薬膳の思想は本当に素敵です。


でもその「考え方」を自分たちのからだに合わせて使いこなすためには

自分の頭を使って考えることと、

自分の感覚や感性に素直になることが必須だと思っています。


薬膳を学ぶって、きっとそういうこと。


「誰かにとっていいものが自分にとってもいいとは限らない」


環境や気候や体質。そのときの状態によって

「いいもの」は変わっていきます。


自分にいいものを見つけるということは

「本物を見極める視点を持つ」ということだと思うんです。


だから薬膳ってすばらしい。

私ももっと深めたい。


自分のからだと相談しながら、

「なにが自分にとって心地いいのか」を探していくのが一番だと思っています。



ということで、


「なつめやクコは食べたほうがいいですか?」というご質問に対する私の答えは

「なつめもクコも素晴らしいけど、もっとからだが喜ぶものもあるかも」

です。


(あくまで個人的な考えですが!)


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